2012.12.24|花一輪

わたくしは、花一輪が昔から好きだ。

それを知っている数少ない男性の一人が夫だ。

いままで何度かプレゼントしてくれた。

それらは、野ばらだったり、スプレーバラだった。

駅の傍や飲み屋さんの傍のお花屋さんでお酒の勢いに後押しされて

買ってくれたものだと感じていた。

今日は、クリスマス・イヴ。

息子が、福岡の仕事から帰ってきた。

娘は、嫁いでもう家にはいない。

夫が、薔薇一輪のプレゼントをしてくれた。

息子からは、九州のお菓子のお土産。

わたくしは、夕餉に腕を振るった。

こんな楽しい夜は我が家では珍しい。

みんなが相手の喜ぶ顔を見たくて心をつくす。

気持ちの双方通行ってこういうことだったと知らされた。

一見、芍薬のような数えきれない花弁のこの花は本当に薔薇か?

おまけに棘がない。

結婚して30年のささやかな仕合せ。