2012.10.02|刀根 里衣(tone Satoe)

読書の秋です。

親友が絵本(タイトル:「Questo posso farlo」)をプレゼントしてくれました。

イタリア在住のイラストレーターTone Satoeさんが、2012イタリア ボローニャ国際絵本原画展で

入賞した作品です。

柔らかいタッチの絵ですが、地に足のついたどっしりした作品です。

「自分らしく生きる」ということがテーマかしら。

自分のできなさを肯定的に受け止めることのできる人は、覚者だと教えられました。

 

     「なにもできない鳥」  (直訳:わたしはそれを行うことができます)

みんなは、卵の殻を破り元気よく産まれた。彼はそうしなかった。

みんなは、果実を取ることができた。彼はそうしなかった。

みんなは、泳ぐことができた。彼はそうしなかった。

みんなは歌うことができた。彼はそうしなかった。

みんなは登ることができた。彼はそうしなかった。

みんなは釣りができた。彼はそうしなかった。

みんなは飛ぶことができた。彼はそうしなかった。

池で浮き輪を使ってみたが、進まない。

歌を唄おうとしてが、調子が外れる。

梯子を使って枝に登ろうとしたが、上手くいかなかった。

網を使って魚を捕ろうとしたが、魚たちは通過した。

気球をつけて空に上がったら、うまくいった。

しかし、その後、バルーンが萎むと、彼は一人残された。

私は何もできない…

その瞬間、彼は一人ぼっちの花をみつけた。

鳥と花は、出逢って、喜びに満ちた。

子どもが生まれた。

しあわせ。。

たとえ風が吹いても

お日様の中でも

雨の中でも

雪降る中で凍てついても

私たちは、しあわせ。

春が来ると壮大なツリーになって花々が咲き乱れた。

誰もが行ってみたかったところ。

それよりも、より美しく、より幸せな場所がありませんでした。