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2014.02.03|吉野弘さんの詩

今年も早いもので今日は節分です。

時の流れの早さについていけないわたくしは、

なぐさめてくれそうな詩を探す。

吉野さんの詩は、分かり合えない関係性を扱ったものが

多いと思う。

苦しみをさりげなく吐露してふわった包む心地よさが

心臓に響くのだ。

 

「祝婚歌」(しゅくこんか)

 

二人が睦まじくいるためには

愚かでいるほうがいい

立派すぎないほうがいい

立派すぎることは

長持ちしないことだと

気付いているほうがいい

完璧なんて不自然なことだと

うそぶいているほうがいい

二人のうち どちらかが

ふざけているほうがいい

ずっこけているほうがいい

互いに避難することがあっても

非難できる資格が自分にあったかどうか

あとで疑わしくなるほうがいい

正しいことを言うときは

少しひかえめにするほうがいい

正しいことを言う時は

相手を傷つけやすいものだと

気づいているほうがいい

立派でありたいとか

正しくなりたいとかいう

無理な緊張には色目を使わず

ゆったりゆたかに

光を浴びているほうがいい

健康で風に吹かれながら

生きていることのなつかしさに

ふと胸が熱くなる

そんな日があってもいい

そしてなぜ 胸があつくなるのか

黙っていてもふたりには

わかるのであってほしい

 

 

詩人の吉野弘さんは、著作権について寛大なお心をお持ちの方だったようだ。

「祝婚歌」を「民謡みたいなものだ」と仰っていた。

民謡というのは、作詞者とか、作曲者がわからなくとも、歌が面白ければ唄ってくれる

わけです。だから、私の作者の名前がなくとも、作品を喜んでくれるという意味で、

私は知らない間に民謡を一つ書いちゃったなと、そういう感覚なんです。

だから著作権料はいりませんよ。